しっかりごはんを食べたはずなのに、なぜ犬は誤飲をするのでしょうか?散歩中の広い食い、ちょっと目を離したすきにゴミ箱漁り・・『もう!なんでそんなことするの!』なんて経験ある方は少なくないのではないでしょうか?どの子も起きる可能性がある上、繰り返すことも多いこの事故。実に5頭に1頭が誤飲事故を再発しているそうです。
ところが、犬が野山で暮らしていた時代の事を考えれば不思議ではありません。匂いを嗅いで食べれそうなものを探し、それをくわえて食べるのは当たり前の事だったのです。
物を口に入れること自体は、犬にとっては本能的な行動。とはいえ、万が一食べてはいけない物を誤飲してしまったら、最悪の場合命にかかわることも。
もし愛犬が誤飲を繰り返してしまっているのなら、その根本的な理由を理解し、なるべく早く解決しておく必要があります。

犬の誤飲はどうして起こる?

誤飲の理由は大きく分けて3つの理由が考えられます。
一つ目は食べ物関連の物を飲み込んでしまうケース。これが一番多い理由ではないでしょうか。食いしん坊で好奇心旺盛な子に起こりやすいです。
二つ目は自分が口にしたものを取られまいとそのまま飲み込んでしまうケース。この場合愛犬は物を口に入れて、取られないように急いで逃げるという行動をとることが多いです。所有欲が強く、エネルギッシュな子によく見られます。
三つ目はおもちゃなどで遊んでいるうちに、飲み込んでしまうケースです。飲み込むつもりがまったくなくても、遊んでいるうちにおもちゃを破壊してしまい、その破片を飲み込んでしまうという話をよく聞きます。
おもちゃが大好きですぐ壊してしまう、あごの強い犬種の子は要注意です!

それぞれのケースや、犬種、性格によって原因や対策は全く違ってきます。まずは愛犬の誤飲の原因が何か知っておくといいですね。

犬の誤飲で特に注意するべきリスト

食べ物

まずはチョコレートや玉ねぎは最も有名です。神経症状を引き起こす可能性があり、カカオ含有量が多いものは特に注意が必要です。2月のバレンタイン時期はチョコレートを誤飲してしまったという子が多く動物病院に診察に来るそうです。
小型犬は少しの量でも症状が重く出ることがあるので注意してください。
ネギ類は煮汁を飲んだとしても、赤血球を破壊して貧血を起こす可能性があるので気を付けましょう。

液状の異物

農薬や殺虫剤、洗剤や漂白剤・・私たちの身近には犬にとって危険な物がいっぱいです。農薬などは知らないうちに散歩道に撒かれていることもありますので、要チェックです!
液状のものは吸収が早く重篤化することも多いため特に注意が必要です。

固形の異物

おもちゃやごみ、硬貨など家の中だけでも様々な物が誤飲の原因になり得ます。小さい異物であればそのまま出てきたり、お薬を使って吐かせることもできますが、大きな固形物は胃に残ったり、最悪の場合腸に詰まって腸閉塞を引き起こし命に関わることもあるため注意が必要です。
たばこを吸う方がいるご家庭は、たばこはわずかな量でも中毒症状を引き起こし命取りになり得ます。個体差はありますが、1/3本で中毒症状、2本で致死量と言われます。百害あって一利なし!これを機に禁煙に取り組んではいかがでしょうか?

植物

お部屋のインテリアとしての観葉植物も犬にとって危険な物もあります。クリスマスを彩るポインセチアはその代表です。きれいに見えても犬にとって毒性は強く、嘔吐や下痢を引き起こし重症化すると神経症状や死亡例もあるため注意が必要です。その他にもポトス、ヒアシンス、チューリップ、シクラメンにも同じことが言えます。愛犬を守るために届かない高いところに置くか、思い切って置かない!というのもいい選択かもしれません。

犬が誤飲した場合


異物を誤飲した場合、物が詰まる箇所は主に「食道」「胃」「腸」の3か所となります。
詰まる箇所によってどのような症状がでるのでしょうか?

症状1 食道に異物がある場合

誤飲でなくても飲み込む途中に物が詰まってしまうことは少なくありません。大きめのジャーキーやリンゴなどの果物、おもちゃなど様々な物に注意が必要です。食道に物が詰まると、気管を圧迫してしまって呼吸困難を引き起こしてしまうことがあります。吐きそうな動作をしたり、せき込んだり、よだれを垂らし苦しそうにしていることが多いです。

症状2  胃に異物がある場合

呼吸困難の恐れを逃れ胃までたどり着いても、大きな塊は食道と胃の粘膜を傷つけています。そして、胃の出口は狭いのでそこで詰まってしまう恐れもあります。胃が荒れたり胃の出口で詰まったりすると、嘔吐を繰り返し引き起こします。

症状3  腸に異物がある場合

食道・腸を通り抜けてこられたとしても最大の難関、腸が待ち構えています。腸は非常にデリケートな組織なので、異物が詰まったまま放置すれば組織がそこから壊死してしまい、腸が捻じれてしまったりまったく動かなくなる恐れがあります。
こうなると全く食べられなくなり激しい嘔吐を頻繁に繰り返し、非常に危険で生死にかかわる問題になってきます。

犬が誤飲してしまった場合はまずは落ち着いて対処しよう!

対処法1  気道の確保

最善の対処法はやはり動物病院に連れて行き迅速に処置をしてもらうことですが、詰まらせて窒息しかけている時などは飼い主さんの応急処置が非常に大切です。
口をユックリ開け異物が見えるようなら、ピンセットなどでゆっくり静かに取り除きます。固くて取り出しにくい場合、小型犬であれば持ち上げて逆さにして背中をたたいたりしてあげてください。大型犬の場合は横向きに寝かせ、肋骨の下をぐっと押すようにします。
呼吸困難になっていたら、まずは軌道の確保が第一優先です。まずは落ち着いて状況を把握しましょう。

対処法2  すぐに病院へ

呼吸困難の恐れがないようであればすぐに動物病院へ行きましょう。
何を飲み込んでしまったのか病院の先生に正確に伝えることが大切です。飲み込んだものが分かっている場合、飲み込んだものによっては無理に取り出したり吐かせたりすると症状が悪化する場合があります。先生の判断によって嘔吐剤をのませたり、場合によっては開腹手術なんてこともありえます。

犬の誤飲を防ぐための心得


一番大切なことは誤飲を防ぐことです!誤飲は犬の本能などの理由ももちろんありますが、飼い主さんの不注意で起きてしまうことも少なくありません。愛犬にもしものことがあれば、飼い主さんは自責の念にかられ辛い日々を過ごすことになってしまいます。

愛犬の命は飼い主さんしか守れません!次は誤飲を防ぐための心得をお伝えいたします。

家の中心得1 危険な物を置かない

愛犬にとって家の中は危険な物がいっぱい!先ほどのたばこを含め、画鋲や竹串、人間用の薬など数えだせばきりがありません。そういったものをまったく置かないというのが一番いいのですがなかなか難しいと思います。置く場合はしっかりと飼い主さんが場所を決め、違う場所には置かないことを心がけましょう。

心得2 部屋を片付ける

部屋が散らかっているだけで誤飲事故の発生率がぐっとあがります。散らかっているとどうしても危ないものが含まれてしまいます。キッチンに野菜や生ごみ、昨夜の食べ残しの鍋などを置いているなら、そこも危険です。キッチンに自由に出入りできないように、ペットゲートを付けるなどして入るのを防ぐのがよいでしょう。
お部屋がきれいだと、危険な物もなくなりますし気持ちもすがすがしいです。飼い主さんの目線の高さでは見つからない物も、愛犬の低い目線では見つけられるものもあります。這いつくばっ部屋中に睨みをきかせましょう!危険な物もなくなる上お部屋もきれいになり、いいこと尽くしなのでぜひ実践されてください。

心得3 おもちゃの定期チェック

これは意外にも見落としがちな事なのですが、おもちゃなどの定期チェックはとても大切です。お気に入りのぬいぐるみから綿が出ていたり、ボールを噛みちぎって破片が取れそうなことってけっこうありませんか?おもちゃでさえ飲み込んでしまえば重大な事故につながります。
定期的なチェックを行い危険と判断したおもちゃは、修理したり処分して常に安心できる状態のおもちゃを与えてください。

散歩中心得1 常に犬の一歩先を見ておく

拾い食いをついしてしまう子は、『あっ!』と思った時はもう口に入れてしまいます。それを防止するには、基本的な事ですが愛犬が歩く先歩く先をチェックして危ない場所には近づかないことです。当たり前のことですが、これが一番手っ取り早いかつ安全な方法です。

心得2 「ちょうだい」を前もって教えておく

万が一落ちているものをくわえてしまったとき最も有効的なのは日頃のしつけです。『おすわり』『待て』と同様に『ちょうだい』『出せ』などのコマンドで物を飼い主さんに渡すということを教えておく方法があります。くわえてしまったのを無理に手を突っ込んで出そうとすると、取られまいと急いで飲み込んでしまう子や飼い主さんが噛まれる可能性もありますので注意してください。日頃から口を触ったり歯磨きなどで口周りを触られることに慣らしておくといいですね。

心得3 リードは短めに持とう

リードが長く愛犬が比較的自由に動けると、その分飼い主さんが異変に気付くのも遅くなります。もし拾い食いをしようとしたときは、すかさず『だめ!』と低い声で叱りリードを引っ張り、いけない行動だとしっかり教えましょう。

まとめ


誤飲につながる拾い食いは多くの飼い主さんの悩みの一つです。
食べること、口に入れることは犬にとっての本能であることも事実です。しかし本能だからと言って甘んじていると、愛犬が命の危険にさらされます。愛犬を守れるのは飼い主さんの責任です。
愛犬のいる環境を整えたり、危ないものを察知して遠ざけるなど飼い主さんの心がけひとつで防げる事故もあるのです。
そして日々の生活の中で、コミュニケーションを取りながら安全に暮らせるようにトレーニングすれば愛犬との絆も深まります。
散歩が気持ちいい季節、心配事なく愛犬と散歩を心から楽しめるように愛犬と二人三脚で実践してみてくださいね!

おすすめの記事