ブリーダーとは?


ブリーダーとは、交配や出産、繁殖を手掛け流通させる仕事です。
ペットショップで販売されている子犬たちは、一般的にブリーダーの手によって誕生しています。

ブリーダーは犬に関する知識を持ち、生まれてくる子犬の遺伝的な疾患を防ぐために最適な交配相手を選んだり、出産や飼育中のサポートを行ったりしながら、健康で元気な子犬たちを送り出していきます。

日本では子犬の購入先はペットショップがメインとなっていますが、海外ではブリーダーから直接子犬を手に入れる人が多くなっています。

ブリーダーは個人経営が多く、その個人経営の中でも専門的に運営されている方と副業や趣味でされている方がいて副業や趣味でされている方を『バックヤードブリーダー』といい、このタイプのブリーダーが約7割を占めると言われています。

ブリーダーになるには


日本にはブリーダーになるための専門資格はありません。学歴や年齢など問われることもないため、誰でもチャレンジできる職業です。
しかし犬の繁殖には遺伝学、獣医学、動物行動学など様々な専門知識が必要です。

知識がないまま繁殖を行うと遺伝的リスクが高い子を産み出したり、生まれつき体の弱い子を産み出してしまう恐れがあります。
犬種によっても違ってくるので、各犬種の血統や特徴、遺伝疾患を知る必要があります。

一つの犬種の生物的な知識を身につけるだけでも大変ですので、特定の犬種を専門としてブリーディングを行う人が大部分を占めます。
学ぶことがたくさんある上、独学ではなかなか難しいこともあるので、ブリーダーとして活躍している人の下でアシスタントとして経験を積むのが一番効率的ではないでしょうか。

実務経験を積むことができる上、現場でしか身に着けられない実践的な知識を得ることができます。

先程も書いたようにブリーダーには資格はありませんが、繁殖した子犬を販売するためには自治体への届け出が必要です。

開業する地域に『第一種動物取扱業』という申請をしなければなりません。

申請要件として半年以上の実務経験か動物関連学校の卒業などが必要となり、その他にも動物を飼育するための環境が整備されているかなどのチェックが行われるため、これらの項目を満たしているかしっかり確認しておきましょう。
繁殖に関することをしっかりと学び、飼育環境を整えてから申請をしましょう。

ブリーダーに必要な知識


ブリーダーは専門知識やノウハウが必要とされる仕事です。実際仕事をする前に必要な専門知識を学ぶことは必須条件と言えます。
遺伝学の知識
毛色の掛け合わせ、遺伝性疾患の排除、成長時サイズ予想

予防医学
衛生管理、ワクチンや投薬、定期駆虫

健康管理
健康診断、食事管理、体調チェック

性格形成
母親との接触時間、社会化生育環境

グルーミング
適切なケアの実施

ブリーダーに求められること


繁殖はただオスとメスを交配させればいいのではありません。安易に交配させれば近親交配による遺伝子疾患など様々なトラブルが出てしまいかねません。

そういった遺伝子学などはもちろん重要ですが、やはり最も大切なことは日々のお世話です。

親犬が元気でないと、元気な子犬は決して生まれません。毎日の餌やり、運動、排泄物の処理や掃除の他、体調管理にも気を配る必要があります。

妊娠中の健康管理に気を配り出産時には助産師役を努め、無事に生まれたからといっても安心はできません。

生後まもない子犬は感染症にかかりやすいため、衛生管理や体調管理、また出産で体力を失っている母犬の健康管理にも手を抜けません。

そして幼いうちに母犬・兄弟犬との関わりをしっかり持たせ、社会性を身につけさせるのもブリーダーの大切な役目です。無事にペットショップや飼い主のもとに届けるまでは気の抜けない毎日が続くのです。

優良ブリーダー、悪質ブリーダーとは?


ブリーダーの評価として『優良』『悪質』といった表現がよく使われますが、一概に優良か悪質かの判断は極めて難しいと言えます。判断基準としては飼育環境の良し悪しが、ブリーダーの犬に対する考え方が一番分かりやすいのではないでしょうか。飼育環境が悪いブリーダーが犬のことを考えているとはまず思えません。

・飼育スペースが不潔、臭い
・飼育スペースがせまい
・運動が足りていない
・感染症の予防や治療が不備
・先天性疾患がある犬による繁殖
・繁殖犬が汚れ十分なケアがされていない

こういった飼育環境や繁殖犬の様子が、そのブリーダーの考え方を物語っていると言っても間違えないでしょう。

ブリーダーの闇 悪質なブリーダーの実態


イギリスやドイツのブリーダーは専門性の高い職業とされ専門資格が必要となり、事業者の業法違反は禁固刑や拘束刑など重い罰則規定があります。

日本の場合資格制度もなく開業も届け出だけででき、業法違反の場合も罰金程度の軽い罰則しかありません。
ブリーダーの違いというよりは、ペット行政がまだまだ先進国に追いついていない状況です。

残念ながら日本のブリーダーは、比較的簡単にブリーダーが始められるので、金銭授与だけを目的としたブリーダーが急増しているのが現実です。

2014年 栃木県でミニチュアダックスフントやトイプードルなど70匹あまりの繁殖犬の死骸が遺棄されるという衝撃的な事件が起きました。

発見された犬たちはひどく汚れ毛玉だらけ、雌犬は出産の傷跡があったことから捜査が進みブリーダー関係者が逮捕されました。

狭く汚れた劣悪な環境で飼育し、処理に困ったブリーダーが遺棄したと見られています。
衝撃的な悲しい事件に涙した方も多いのではないでしょうか。

ペットブームと言われ、かわいい子犬がペットショップに並ぶ裏ではこのような悲惨な事件が後を立たないのです。

こういった事件を受け動物愛護法も改定に向けて動いてはいるものの、日本ではまだまだ犬たちは『モノ』扱いです。

まとめ


ブリーダーという仕事は犬が好きなだけで始められる仕事でも、金銭目的だけで始めていい仕事でもありません。

正しい知識と経験、そしてなにより命を扱う覚悟がいると思います。
私は以前ブリーダーの飼育スタッフとして働いた経験がありますが、そのブリーダーはいわゆる優良ブリーダーでした。

毎日愛情を持って世話をされている犬たちはすごくいい表情をしていて、肉体労働で大変な仕事でしたがすごく充実した日々だったのを今でも覚えています。

初めて犬と関わった仕事でしたので、犬の衛生管理や体調管理・犬との接し方を身をもって学べたことをそのブリーダーさんに感謝しています。

そこで生活している子は幸せだったと思うとともに、そういったブリーダーさんが増え劣悪な環境で生きることを強いられる子が少しでも減ってくれればいいなと思います。

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