犬を飼っているみなさん、愛犬の老後について、病気になった時の食事について考えたことありますか?
犬も年をとってくると足腰も噛む力も弱くなり、寝たきりになってしまったり、自力でご飯が食べられなくなることがあります。
また、病気で立つことが出来ず、時には獣医さんの指示で流動食をあげることになるかもしれません。
そういった時にどうやって愛犬にご飯を食べさせてあげたら良いのか。実体験を元に方法を紹介したいと思います。
目次
介護犬のごはんの食べさせ方。筆者の実体験
実は我が家の愛犬は2歳過ぎから流動食を食べています。
愛犬のケースは病気によるもので、脳疾患により脳の指令がうまく四肢に伝わらず、歩くことはできますがジッと立つことができなくなったことが主な原因です。
また、獣医師からも脳への刺激を抑えた方がいいので、噛まなくていい食事を与えるように言われました。
我が家の場合は小型犬なので、支えたり抱えたりするのは容易いのですが、それでも食べさせるとなると様々な試練がありました。主な試練の内容がこちら。
- 何を使って食べさせたらいいの?
- どうやって支えたらいいの?
- どうやって食べさせたらいいの?
- どうやったら愛犬が楽に食べられるの?
我が家ではなんとか愛犬に合う方法を見つけ、5年近く介護を続けています。
もちろん、愛犬の体の大きさや性格によってベストな方法は違いますが、ここで紹介した方法が参考になったら幸いです。
【犬の介護】何を使って食べさせるか
何を使って食べさせるかは、寝たきりや病気の程度によって異なります。今回は2つに分けて紹介します。
①舌でペロペロと舐めることができる場合
愛犬が舌で流動食を舐め取れるようならば、持ち手付きの食器やスプーンを使うことをオススメします。ペティオなどのブランドから発売されています。
スプーンを使う場合は、もちろん犬用のものが良いとは思いますが、シリコン製のもの、又は人間の赤ちゃん用のスプーンでも代用できます。万が一愛犬が噛んだ時に割れないようなスプーンを選んでください。
超小型犬や元々食が細い子はスプーンを使う方が良いかもしれません。
手持ち食器・スプーン
口元まで食器やスプーンを持っていきます。目が見えない、嗅覚が鈍っているなどの理由でご飯があることに気がつかない場合は、少し指にご飯をつけて歯茎に塗ると良いでしょう。ご飯が出されたことに気がつきます。
スプーンの場合は、食べたら掬う、食べたら掬うを繰り返します。手持ち食器でも、食器の中身が少なくなった時はスプーンで掬ってあげると食べやすくなります。
②ペロペロと舐めるのが難しい場合
この場合は注入器を使います。シリンジとも言います。注射器の針無しバージョンのようなものです。我が家では森乳サンワールドの10mlのものを使っています。2〜3年使ってますが壊れないのでオススメです。
中型犬・大型犬の場合はもちろん10mlだと全然容量が足りないので、150ml入るmonomaniaのプラスチック製シリンジが良いと思います。それでも容量が足りない場合は調味ボトルを利用すると良いと思います。
この際、シリコン製の乳首などの付属品が付いてきますが、使わないことをオススメします。まだ歯がある場合は噛んでボロボロにしたり、食いちぎって誤嚥してしまうことがあります。
先はプラスチックのまま使用しましょう。また、先の筒を洗浄するために歯間ブラシのような細いブラシを用意することをオススメします。
注入器を使う
マズルの横側から注入器を入れ、愛犬のペースに合わせてピストンを押します。愛犬の舌が注入器の先に当たったら押すのが良いタイミングだと個人的に思います。
注入器であげる時の注意点は、愛犬の顔を上に向けすぎないことです。上に向けると誤嚥します。顔はできれば水平のまま食べさせてあげてください。
【犬の介護】どのように支えて楽な体勢で食べさせる事が出来るのか
支える姿勢としては、本来犬が食事をする時のように立たせるのがベストです。まだ足で踏ん張ることができ、立てそうであれば胸の下に手を入れて支え、立たせてあげてください。
立たせることが難しい場合は、小型犬なら抱っこして飼い主の腕に顔を乗せるような形にすると良いと思います。中型犬・大型犬の場合はそれも難しいと思うので、飼い主の膝の上や程よい高さのクッションの上に顔を乗せてあげましょう。
クッションを使う場合、高さは呼吸が苦しくない高さをる目安にすると良いと思います。要は上を向きすぎない高さです。クッションの硬さは、人の腕のように顔が沈み込みすぎない、程よい硬さがあると良いでしょう。
愛犬にご飯を楽に食べるために必要な条件は以下の通りです。
顔の方向
立たせて食べさせる際はできるだけ口の近くまでご飯を持っていきましょう。目安は愛犬が少し下を向けば食べられるくらいの位置です。
大型犬など、食事の量が多く飼い主の手で持ち続けるのが辛い場合は、程よい高さの台などを活用しましょう。飼い主が腱鞘炎になっては元も子もありません。
注入器であげる際は上に向けすぎると呼吸も苦しく、誤嚥の原因となります。できるだけ水平を保ちましょう。
一回に口に運ぶ量
注入器であげる際は、様子を見ながらあげてください。一気にたくさん口の中に入るとご飯が溢れますし、誤嚥の原因にもなります。
また、流動食となると水分が多いので、食が細い愛犬の場合はすぐにお腹がいっぱいになります。何回かに分けて与えましょう。
声かけ
「そうそう!」や「上手上手!」などと声をかけてあげると、愛犬も「こうやって食べれば良いのか!」とわかります。
初めて流動食を食べる時は、愛犬も今までしたことがないご飯の食べ方をするので要領を得ないのです。上手に食べれた時は褒めてあげてください。
まとめ
人間の介護が大変なように、愛犬の介護も大変なものです。我が家の愛犬のように病気の場合だと、かなり早くから介護が必要になることもあります。
愛犬も楽に生活し、飼い主の方も無理なく介護が続けられるよう、試行錯誤を繰り返してくださいね。