「犬のストレス」
犬と暮らしている方なら一度は耳にしたことがありますよね。しかし、犬のストレスってどんなの?と聞かれてはっきりと答えられる方は少ないのではないでしょうか。
では、犬はどのようなことにストレスを感じ、ストレスを感じたときにどのようなサインを出しているのでしょう。
人の言葉を話すことができない犬は、ボディランゲージと鳴き声でいっしょうけんめい飼い主さんにストレスがかかっていることを伝えています。

犬も人と同じようにストレスによって自律神経がみだれ、免疫力が低下することで体にさまざまな不調が現れます。そして、いろいろな病気を引き起こすのです。そうならないためにも、愛犬が出しているストレスサインを飼い主さんが見のがさずに気づいてあげることが大切です。
今回は「犬のストレス」・「ストレスによっておこる病気や問題行動」・「ストレスの原因」について紹介していきます。

犬のストレスサイン

犬がストレスを感じているとき、かならずいつもと違う行動をしているはずです。
たとえば、おどおどしながら震えている、つらそうで切なげな声で鳴く、同じ行動をくりかえす、そんな行動を愛犬がとっていたらストレスを感じているサインです。
ここでは、犬に多く見られるストレスサインを紹介していきますので、愛犬からのSOSを見のがさないでくださいね!

あくびを何度もくりかえす・体をブルブルとふる

犬があくびをする理由はいくつかありますが、大きくふたつに分けられます。
まずひとつめはリラックスしているときです。人はくつろいでいる時や安心しているとき、あくびが出てしまうことがありますよね。犬も同じようにほっと安心しているときにあくびが出てしまいます。
もうひとつは、不安や緊張などストレスを感じているときです。リラックスからくるあくびは問題がないですが、不安や緊張からくるあくびはストレスを和らげようとしている行動なので、その状況から解放してあげてください。何度も繰りかえしあくびをしていたら要注意です。
また、からだをブルブルとふるしぐさも不安や緊張を和らげようとしているボディランゲージですので、愛犬のからだを撫でてあげるなどをして安心させてあげてください。

体を硬直させ震える

からだの筋肉を硬直させてジーっと動かずにかたまっている、からだをプルプルと震わせているばあいは、なにかに緊張をしていてストレスを感じているサインです。
朝起きて、散歩をして、ご飯をべて…と、いつもと変わらない生活のなかにも、犬がストレスを感じる原因があります。とても些細なことで飼い主も気づきにくいことが多いのですが、かならず理由があるはずなので、ストレスを感じている原因を見つけてあげてください。

体の一部をなめつづける・掻く

からだの一部をなめつづける、掻きつづける「○○しつづける」というボディランゲージは非常につよいストレスを感じているばあいに犬がおこす行動です。もし愛犬が同じ場所をなめつづけている、からだの一部を掻きつづけてる、そんな行動をとっていたら早急にストレスの原因を見つけとり除いてあげる必要があります。
この行動がひどくなると、毛がかきむしられ、肌が露出し、皮膚がけずられ長期の治療が必要になることもありますので出来るだけ早めにストレスをなくしてあげることが大切です。

舌をだしハァハァと呼吸(パンティング)をする

犬が暑くもないのに舌を出してハァハァとパンティングをしているばあいはストレスのサインです。
緊張や不安、恐怖からこのような行動をとります。こういったばあいは、愛犬のそばに寄り添い撫でながら優しく声をかけ、安心できる空間をつくってあげましょう。

尻尾をさげる(尻尾を後ろ足の間に巻き込む)、追いかける

犬の尻尾は感情をあらわすバロメーターになります。嬉しいときは尻尾を振り、恐怖や不安を感じているときは尻尾をさげ足の間に入れます。また、自分のしっぽを追いかけてぐるぐると回るばあいは、ストレスによって嫌な気分になっていたり、不安などと葛藤したりしているときに気持ちを紛らわそうとしておこす行動です。

ストレスからくる犬の問題行動や病気


人と同じように犬もさまざまな原因によってストレスが溜まります。しかし、人と違って犬は溜まったストレスを自分で解消することができません。そのため、蓄積されたストレスによって病気になってしまうことがあります。
では、犬はストレスによってどんな病気になるのでしょうか。ストレスからくる問題行動や病気を紹介していきますので、もし愛犬にあてはまるものがあったらストレスを取り除いてあげてくださいね。

フケや脱毛

フケや脱毛は犬がストレスを感じたばあいに一番出やすい症状です。
シャンプーが苦手な子はシャンプーの後にフケが出たり、病院きらいな子は病院に入った瞬間にフケが出たりもします。
また、小さなストレスの積み重ねで脱毛になってしまう子もいます。
フケや脱毛がつづくと皮膚病になる可能性もあるので、このような症状が出たら、まずは愛犬がストレスを感じる出来事がなかったか、ストレスを感じる生活をしていないかを一度考えてみてください。ひどくなる前に早めの対処が大切です。

軟便・下痢・嘔吐

犬はとてもデリケートなのでストレスによって胃腸などの消化器系に障害を起こしやすいです。そのため、ストレスにより大腸性の軟便や下痢、嘔吐などの症状がでる場合がよくあります。症状が軽いばあいは、ストレスの原因を取りのぞいてあげ2~3日様子をみても大丈夫ですが、症状がひどいばあいは、病気が長期化する可能性があるので早めに動物病院へ受診することをおすすめします。

血尿や血便

ストレスによって免疫力が低下することで起こりやすいのが膀胱炎や細菌・ウィルスの感染です。ひどくなると血尿というかたちで症状があらわれることがあります。その他にストレスによって腸内が荒れて血便をすることもあります。
また、血尿や血便はストレス以外の重症な内臓疾患のばあいもありますので注意が必要です。

食欲不振・過食

人はストレスによって食欲がなくなったり、食欲が増して食べたい気持ちを抑えることが出来なくなってしまうことってありますよね。犬も同じように、ストレスによって食欲がなくなったり、過食になったりします。
「いつもはご飯を残すことなんてないのに急に食べなくなった」、逆に「食べても食べても食べ物をほしがるようになった」などの症状があらわれたばあいはストレスのサインです。
飼い主とのコミュニケーション不足や運動不足などでこのような症状がでることが多いので、一度、愛犬とコミュニケーションがとれているかを見直してみるといいでしょう。

破壊行動

犬にも感情があり、気持ちがもやもやする状態が続くとそのストレスを解消しようとして破壊行動をとることがあります。
テーブルや椅子の足をガジガジ噛んで破壊をしたり、カーテンやクッションやソファなどを破壊したり、お留守番をさせて帰ってきたら部屋がめちゃくちゃだったなんてこともあるかもしれません。
そんな時ついつい愛犬を叱ってしまいたくなりますが、愛犬は自分ではどうすることもできないストレスをどうにか解消させようとしただけなので叱ってはいけません。破壊行動は飼い主の愛情や遊びの時間が足りない場合に多く見られる行動ですので、愛犬と遊ぶ時間や甘えの時間が充分にとれているか、もし足りていないようでしたら愛犬と過ごす時間をつくってあげてください。

マーキング・粗相

犬は環境の変化で強いストレスを感じます。引っ越しや家族が増えたなど生活環境の変化によるストレスで今まで完璧に出来ていたはずのトイレができなくなってしまったり、あちこちにマーキングするといった問題行動をとることがあります。
愛犬が安心できる自分の居場所をつくれるように飼い主がサポートしてあげることが大切です。
また、家の近くで大きな音をたてて工事をしはじめた、無駄吠えをする犬が引っ越してきたなど周りの環境が変化したことでストレスを感じマーキングや粗相をするようになることもあります。そのばあいは、できるだけ音や鳴き声が聞こえない環境をつくってあげるようにしましょう。

犬がストレスを感じる原因


犬が感じるストレスはさまざまありますが、今回は犬と一緒に暮らすうえで覚えておいてほしい代表的なストレスを紹介します。

季節の変化

人が季節の変わり目に体調を崩しやすくなるのと同じように、犬も季節の変わり目におこる温度の変化などでストレスを感じます。特に春と秋は日によって寒暖差が激しいため、からだが環境に適応できずに体調不良を起こすことが多いです。
また、避妊をしていないメス犬は一般的に春と秋に発情期を迎えるためホルモンバランスが崩れストレスを感じます。

長時間の留守番

個々もっている性格もありますが、犬の留守番時間はどんなに長くても6時間が限界と言われています。それ以上の留守番は愛犬にとても大きなストレスがかかっていることを覚えておいてください。
そうはいっても、仕事などで長時間の留守番をさせなければいけない場合もあると思います。そのばあいは、留守番中なるべく快適にすごせるように、ケージやサークルは清潔にたもち、ドッグベッドなどを設置し愛犬が安心してくつろげる空間をつくってあげてください。また、のどが乾いたらいつでも清潔な水が飲めるようにしておき、トイレをしたくなったらいつでも排泄ができるように環境をととのえておくことが大切です。

散歩不足・過度の運動

犬は散歩や運動をすることでストレスを発散させています。そのため、体を動かす時間が足りないとストレスを溜めこんでしまいます。
夏は暑いから、冬は寒いから、という理由で散歩を短めにしている飼い主さんもいるようですが、散歩や運動は毎日しっかりとしてあげてください。気温が高くなり暑くなる季節は比較的涼しい早朝や夜に、気温が下がり寒い時期は暖かい日中や服を着せるなどの防寒をさせてストレスを溜めさせないように散歩や運動をしっかりさせてあげることが大切です。
また、長すぎる散歩や激しい運動をしすぎると犬は疲れてストレスを感じるようになります。体力や年齢、犬種によって必要な運動量に差がありますので、飼い主さんが愛犬にベストな運動量をコントロールしてあげるようにしてください。

引越しや生活環境の変化

犬にとって生活環境が変化することは大きなストレスになります。マーキングや粗相でも説明しましたので、ここでは身近で起こりやすい具体的な環境の変化につい説明します。
・家具の配置換えや部屋の模様替え
・新しいペット(犬以外も)が増える
・赤ちゃんが生まれた
・飼い主が変わる
・引っ越しをする
・結婚して家族が増える
・大切な人との死別や別れ
「え!?こんなことで?」と思うものもあったと思いますが、カーテンを変えただけでストレスを感じ体調をくずしてしまう子もいるほど犬は変化に敏感ですので、何かを変えたばあいは愛犬の体調に気を配ってあげてくださいね。

知らない人とのふれあい

犬の性格はひとりひとりちがいます。人が大好きな犬もいれば、人が苦手な犬もいます。人が苦手な犬にとって知らない人とふれあうことは精神的にとてもストレスになります。いろんな人とコミュニケーションがとれるようにしてあげたいと思う飼い主さんの気持ちはとてもよく分かりますが、無理にコミュニケーションをとらせようとすると苦手意識がさらに強くなり愛犬のストレスも大きくなってしまうので個々もっている性格を優先してあげてください。

まとめ


犬のストレスサイン、ストレスからくる病気や行動、犬が感じるストレスの原因を紹介してきました。
大切な愛犬のストレスサインに気づいてあげられるのは、一緒に生活をしている飼い主さんだけです。大切な家族の一員である愛犬が毎日笑顔でいられるように心のサポートをしていきましょう!

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