人間でも、犬でも、嘔吐したらとても心配ですよね。「何か変なものを食べたんじゃ……」「病気なんじゃないか……」と、気が気ではありませんよね。

犬は人間に比べて比較的嘔吐しやすい動物です。ですから、吐いたからと言って毎度慌てたり、病院に行く必要はありません。

しかし、どのような嘔吐が病院に行く必要があるのか、自宅で経過観察で良いのか、わかりませんよね。

ここでは様々なタイプの嘔吐を、病院に行く必要がある場合と自宅で経過観察で良い場合に分類してみようと思います。

【犬の嘔吐】今すぐ病院に駆け込む必要がある場合


病院に行く必要がある場合は以下の通りです。

尚、動物病院を受診する時は吐瀉物を持参、または、写真に撮って、水やフードを与えずに行きましょう。

の混じったものを吐いた場合

口内、食道、胃などで出血が起こっている可能性が高いです。また、肺に異常がある場合もあります。

鮮やかな赤い血が混じっている場合は胃腸内の腫瘍、消化器官内の炎症、ストレス性胃腸炎、心臓性肺水腫などの可能性が考えられます。

焦げ茶色や濃い赤色の血は時間が経っている古い血で、ストレス性胃腸炎や慢性的な胃腸炎が考えられます。すぐに病院に行きましょう。

②誤って食べた物が混じっている場合

吐いたものの中に誤食した食べ物以外のものがあったらすぐに病院に行きましょう。誤食したものが腸に詰まって腸閉塞になったり、消化器官内を傷つける可能性があります。

誤食したものを吐き出してケロッとしていたとしても、体の中にまだ誤食したものが残っているかもしれないので、必ず病院に行ってください。

③白い泡を大量に吐いた場合

白い泡を大量に吐いた場合は心臓性肺水腫の可能性が高いと言われています。すぐに病院に行きましょう。

④緑色のものを吐いた場合

ピーマンやキュウリなどと緑色の野菜を食べたあとに嘔吐したら、吐瀉物が緑色になることがあります。

しかし、それとは関係なしに緑色の場合は、何かの原因によって胆汁がたくさん分泌されて吐瀉物が緑色になっている可能性があります。

膵炎、胃腸炎、十二指腸炎、腸閉塞などが考えられ、病状が進んでいる可能性もあります。すぐに病院に行きましょう。

+α  食べたものをすぐ吐き出した場合

飲み込んだものをすぐに吐き出すことを吐出と言います。嘔吐とは違い、胃まで食べ物が到達していない状態で吐きます。

この場合は喉に違和感や痛みを感じていることが多く、魚の骨が刺さっていたり、腫瘍ができていたり、咽頭麻痺の可能性があったりします。

1回だけ吐き出して、あとはケロッとしているなら問題ありませんが、何回も吐出するようならすぐに病院に行ってください。

【犬の嘔吐】半日以内に病院に行って欲しい場合


以下の場合の時は半日以内に動物病院を受診することをおすすめします。

1時間程度様子を観察して、1時間以内に再び嘔吐したらすぐに病院に行ってください。

①黄色い液体を吐いた場合

ただ単にお腹が空いていて胃液を吐いただけの時もありますが、ストレスによる胃のむかつきや肝炎・腎臓病による体調不良の場合もあります。

念のため、病院に行ってください。

②フードなどの食べたものを吐いた場合

ただ単に食べ過ぎて吐き戻すこともありますが、胃腸に炎症が起きていて、機能が低下して吐き出していることやストレスによる体調不良で吐き戻すこともあります。

食べ物の消化具合でどこの器官に異常があるかわかることが多いです。

ほぼ未消化であれば食べ過ぎ、あるいは食道の異常、少し消化されている状態なら胃、ドロドロに消化されている場合は腸あたりの異常だと思われます。

吐いた状況をしっかり記録しましょう。

③透明なものを吐いた場合

慣れない環境やストレス、空腹によって透明なものを吐く可能性もあります。一度なら様子を見ても良いですが、何度も吐くと脱水症状になるかもしれないので病院に行きましょう。

また、水っぽいものをゲボッではなくダラーッと吐く場合、心臓性肺水腫の疑いがあります。それ以外の心臓の病気の可能性もあります。この場合は早く病院に行きましょう。

④枯れ草が混じっている場合

枯れ草が混じっている場合、その枯れ草の成分によって胃や腸がただれたり、潰瘍になっているのかもしれません。

また、食べた草が除草剤によって枯れている場合は中毒になる可能性があります。急いで病院に行きましょう。

⑤寄生虫が混じっている場合

吐瀉物に何か動き回るものが見えたら、寄生虫の可能性が高いです。体長9〜18cmのもやし状の白い虫である回虫や1〜2cmの白い虫である鉤虫の場合が多いです。

回虫の場合は人間に感染する可能性もあり、飼い主さんにとっても危険です。すみやかに片付け、犬に口元などを舐められないように注意し、病院に行きましょう。

また、嘔吐の前後の症状としてカッカッと咳をしたり、呼吸が荒かったり、ぐったりして食欲がなかったり、ウンチやオシッコに異常がある場合や吐く頻度が週2回以上ならば、すぐに病院へ行きましょう。

【犬の嘔吐】吐いた後に異変があるなら病院に行く場合


吐いたとしても、家で状況観察で良いものもあります。対処法と共に紹介します。

もちろん、吐いた後に異変があれば病院に行ってくださいね。

①興奮して吐いた場合

フードや泡混じりの透明な液体を、来客やドッグランで遊ぶなどの興奮する場面の後に吐き出した場合は、安静にして様子を見ましょう。

この場合は交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが原因として多いので、安静にしてバランスを整えれば問題がない場合が多いです。

また、食後に走ると胃がねじれて(胃捻転と言います)嘔吐しやすくなります。食後はゆっくり休ませましょう。また、夏バテや熱中症の可能性も考えられます。

2時間以内に吐いたり、その他の異常がある場合は病院に行ってください。

②ストレスで吐いた場合

犬は繊細でストレスに弱い動物です。

強いストレスを感じると自律神経が乱れ、フードや黄色い液体、泡混じりの透明な液体、薄い赤色の液体などを嘔吐することがあります。

吐いたらストレスの原因から遠ざけ、安静にさせましょう。また、消化器官に負担がかからないように、フードはいつもより少なめに与え、様子を見ましょう。

③空腹で吐いた場合

空腹で胃液がたくさん分泌され、それを吐き出してしまう犬もいます。黄色い液体や泡混じりの透明な液体であることが多いです。

消化の良いおやつ(すりりんごなど)を与え、食事の時間を調節して空腹になり過ぎないようにしましょう。

④早食い、食べ過ぎで吐いた場合

ガツガツと食べた後に嘔吐する場合があります。むせているようなら背中をさすったり撫でたりして安静にさせましょう。そして、次のごはんは少なめに与えて様子を見ましょう。

早食いが癖で吐き出してしまう犬の場合は、早食い防止の食器を使ったり、フードをふやかして舌ですくうようにして食べさせましょう。

⑤草を食べてすぐ吐いた場合

胃がむかつくと散歩中などに自ら草を食べて吐き出す犬もいます。ふやかすなどして消化の良いフードを与えて胃のむかつきを防ぎましょう。

どうしても草を食べて吐き戻す癖があるなら、ホームセンターで売っている猫や犬のための草を家で栽培しましょう。「ねこ草」などの名称で売られています。

道端の草を食べるよりも衛生的です。

⑥乗り物酔いで吐いた場合

犬も人間と同じように乗り物酔いをします。犬は人間よりも乗り物に慣れてないので吐きやすいです。

乗り物酔いの際はフードや黄色の液体、泡混じりの透明な液体を吐くことが多いです。人間と同じような感じです。

乗り物から降りて、風通しの良いところで休ませましょう。2時間以内に再び吐くようなら病院へ行きましょう。

まとめ

  • 血、誤食物、大量の泡、緑色のものを吐いたらすぐに病院へ
  • 黄色い液体、フードなどの食べ物、透明な液体を吐いたり、吐いたものに枯れ草、寄生虫が混じっているなら半日以内に病院へ
  • 興奮、ストレス、空腹、早食い・食べ過ぎ、草を食べる、乗り物酔いの場合は様子を見る

嘔吐が何らかの異常を示すものであることに変わりはありませんが、早急な対応が必要な場合とそうでない場合があります。

家で状況観察する時は一時的にフードを減らしたり、消化に良いようにふやかしたりして様子を見ましょう。

また、獣医師にしっかり説明できるよう吐瀉物の写真は忘れずに撮ってくださいね!

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