最近ではわんちゃんに手作りご飯を与えているというご家庭も増えてきているのではないでしょうか。普段はドッグフードを与えているわんちゃんも手作りご飯とは何だろうと気になっているかもしれませんね。では実際、手作りご飯とはどんなものなのでしょう。また手作りご飯にすることによって良いことと良くないことは何なのでしょう。我が家でも与えている簡単レシピと共に紹介していきたいと思います。

犬の手作りご飯のメリットとは?

一番のメリットは我が家の愛犬専用の安全な食事が作れるということですね。例えば食材や添加物にアレルギーをおこしやすい子や高齢になり固いものを噛めなくなってしまったり、消化器が弱くなり下痢をしやすくなった子などは体質に合わせてご飯を作ってあげると体に負担が少ない優しい食事が出来ますし、他にも食事にうるさくドッグフードの食いつきが悪い子などは乾燥したフードよりも香りの良い手作りご飯の方が反応するかもしれません。手作りご飯は飼い主さんが材料を選ぶ所から始めるので得体が知れないものは何も入っていないという安心があります。

ただ気をつけて頂きたいのは結石や腎臓病などの持病を抱えているわんちゃんには持病が悪化してしまう食材もありますので、事前に下調べして、その食材は避けるようにして下さいね。

犬は手作りご飯で本当に栄養が補えるの?

はっきり言って全ての栄養は補えません(笑)毎日100%の栄養を補うことはまず出来ないと思います。しかしそれは私たちの食事も同じで、学校や病院のように毎日栄養士さんが栄養素を計算して考えてくれる献立を3食食べているわけではありませんよね。毎日100%の栄養を盛り込まなくても、偏りすぎないようにバランスを考え、大事な栄養素をおさえていれば問題ありませんがいきなり総合栄養食のドッグフードから切り替えるのは不安でもありますよね。今から手作りご飯を始めてみようかなという方はまずはトッピングから始めてみてはいかがでしょう。

犬の手作りご飯に入れておきたい栄養分

わんちゃんのご飯を作る上で栄養が偏らないように気を付ける事は私たちの食事を考える時と同じです。ごはん、お肉、お野菜、汁物を摂ろうとバランスを心がけるようにわんちゃんもお肉だけ、野菜だけにならないように気がけていきましょう。ただし、人と犬では必要な栄養素や摂取して良い食材が全く同じというわけではありませんので、消化の良くないものや与えてはいけないものには気をつけていきます。

ではどんな栄養素が必要なのでしょうか。わんちゃんに積極的に与えたい栄養素をみていきましょう。

たんぱく質

たんぱく質はエネルギー源になると同時に生きていく上で丈夫な体を作ってくれる重要な栄養素です。筋肉や骨、血液や皮膚などの大事な組織、さらにホルモンや酵素を生成するうえでも欠かせない成分となります。たんぱく質は約20種類のアミノ酸から構成されており、中でも食べ物から摂る必要があるものを「必須アミノ酸」といい、それをバランス良く含んでいるものを「良質なたんぱく質」とよびます。

動物性たんぱく質として優秀といわれているのは馬肉ですがそのほかにも、ラム肉、シカ肉などもおすすめとされています。しかし、一般的なスーパーで見かけるのは鶏肉、牛肉、豚肉が主流ですよね。鶏、牛、豚を使う場合は脂肪分に注意して、脂身は削いだり、一度下ゆでして脂を落とすようにしましょう。脂肪分を摂り過ぎるとお腹を壊す原因になります。お魚を与える場合も同じで脂ののっているものは脂を落とし赤身や白身のものを選ぶようにしてください。寄生虫の心配もあるので出来るだけ生食は控えましょう。

また卵や乳製品も動物性たんぱく質ではありますが、主食になるほど入れてしまうと量が多く下痢の原因になるので、アクセント程度に入れるようにして下さいね。

植物性のたんぱく質としては豆類や穀類などがあります。必須アミノ酸は動物性たんぱく質に豊富に含まれていますが、お肉にアレルギーを持っているわんちゃんや低脂肪や低カロリーを目標にしているわんちゃんにとってお豆腐や大豆の水煮などは使いやすい食材だと思います。

脂質

脂質はたんぱく質や糖質と共に三大栄養素と呼ばれており、脳や筋肉に取り込まれ、生命維持や活動に必要なエネルギー源として活用されます。脂質の不足は皮膚の乾燥や免疫低下をおこし様々な疾患に繋がりますし、逆に摂り過ぎは肥満や消化不良をおこし、こちらも様々な疾患に繋がります。また体内では生成できず、食事から摂取する必要がある脂肪酸を「必須脂肪酸」と言い、リノール酸、αリノール酸、EPAとDHAがあります。魚やお肉などからも摂れますし、リノール酸が多く含まれる調理油としては菜種油、紅花油、綿実油、コーン油、ひまわり油、ごま油、オリーブオイルなどがあります。またバターを使用する場合は塩分の摂り過ぎに配慮するため、無塩のものが好ましいです。

 

炭水化物

炭水化物とは炭素と水が結びついた有機化合物であり、即効性のエネルギー源になります。犬が消化できるデンプンと消化できない食物繊維に分けられ、消化できない繊維質は大部分が排泄されます。しかし食物繊維は組み合わせることによってデンプンを低減し、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる働きをもちます。デンプンは小腸で消化酵素によって、ブドウ糖まで分解され体内に吸収されます。その後血液中のブドウ糖として体内を循環し、直接のエネルギー源になったり、体脂肪として蓄積されたり、グリコーゲン(簡単にブドウ糖に変えることのできる物質)として肝臓に蓄えられたりします。

わんちゃんに与えて良い炭水化物はお米、うどん、パスタなどです。

ミネラル

必要量は極めて微量ですが、ミネラルは体調を整えるのに無くてはならない栄養素です。犬に必要なミネラルは11~12種類と言われており、これをバランス良く摂るのが手作りご飯の難所とも言えるでしょう。ミネラルは体液バランスの調整、細胞の一般機能、神経伝達、筋収縮、骨などで重要な役割を果たし、鉄はヘモグロビンに必須ですし、ヨードは甲状腺ホルモンに必須成分です。特に重要と言われているカルシウムとリンは骨および歯の強度の維持に欠かせません。肉類の多い食事はリンが多くカルシウムが少ない傾向にあるので注意が必要です。

ミネラルは海藻類やチーズ、豚レバーなどに多く含まれ、ひじきやわかめなどはカロリーがほぼ無いのでちょっと足してあげる食材として使いやすいと思います。

水分

水は体液平衡を司る重要な成分です。水分が不足すると脱水をおこし、内臓や脳の働きが低下し、最悪命に関わります。また水分の摂り過ぎはお腹を壊してしまいますし、異常な水分補給は何かしらの病気の可能性も有りますのでこの機会に愛犬がどれくらい水を飲んでいるのか観察してみてもいいかもしれませんね。

健康なわんちゃんが1日に必要な水分量は体重×0.75×0.75×132といわれています。体重が5キロのわんちゃんで約440mlですが、これは1日に必要な水分なのでもちろん食事から摂取している水分も含まれます。わんちゃんの性質、気温や天気、その日の生活にもよりますが大体1キロあたり40~60mlほど飲み水として飲んでいると言われていますので普段の生活で仮定すると、体重5キロのわんちゃんで200~300mlほどは飲み水として摂取し、残りは食事からと言うことになります。個体差もありますし、毎日同じ量を飲む事はまず無いでしょうから、あくまで目安として参考にしてくださいね。水をあまり飲まないというわんちゃんはスープを多めにして水分を摂れるようにしてあげましょう。

その他ビタミンなど

ビタミンはエネルギー源として活用されるわけではありませんが、体調を整えるという重要な働きがあります。体内では合成出来ませんので食事で補います。ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にし、視覚の維持や感染症の予防に効果があります。ビタミンB群は代謝の調整や正常な発育を促し、不足すると脳症や心臓肥大、貧血や疲労、免疫低下やアレルギー症状などをおこします。ビタミンDは骨の形成のために必要なビタミンになりますが、過剰摂取してしまうと肝機能障害や腎臓障害、尿路結石や高血圧などを引き起こします。

そのほか、ビタミンE,パントテン酸、葉酸、コリン、ビタミン12などがわんちゃんに必要なビタミンとされています。

全てのビタミンをバランス良く摂るのは容易ではありませんが、比較的摂取しやすく手作りご飯に入れやすいのはカボチャ、にんじん、小松菜、キノコ類、ブロッコリー、アスパラなどの野菜類、レバーやチーズ、ささみや煮干しなどではないかなと思います。

お肉や野菜の割合や量はどのように考えたら良いの?

割合としては、

お肉などのたんぱく質:お米などの炭水化物:ビタミンやミネラルなどの野菜類=1:1:1

と言われています。犬は元々肉食なので野菜類の消化はあまり得意ではありません。なので野菜よりお肉を少し多めの比率にしてもいいでしょう。そして、たんぱく質といってもお肉丸々たんぱく質というわけではありません。お肉の中にたんぱく質という成分があり、お米の中に炭水化物という成分があります。

1日に必要なカロリーを算出するには難しい計算があるのですが、簡単に大まかなカロリーを知る方法として、今食べているドッグフードの給餌量の目安を見てみてください。愛犬の体重の給餌量の目安カロリーが書いてありますので、それを参考にします。

うちの場合、体重は約5キロ弱で必要カロリーは約330kcalと書いてありました。

普通の生活をしているわんちゃんの目安として体重1キロあたり7gほどのたんぱく質が最低でも必要とされています。体重5キロのわんちゃんでは7g×5=35gのたんぱく質ということになります。

野菜や乳製品にもたんぱく質は含まれているので全体的に35gのたんぱく質を摂取できてカロリーが330kcalほどのお肉:炭水化物:野菜=1:1:1のご飯となります。

例えば、

鶏胸肉 50g=96kcal

お米 50g=178kcal

カボチャ  4g=5kcal

人参   4g=2kcal

グリーンピース 2~3粒  3g=3kcal

ミニトマト2粒 20g=6kcal

卵1/3個   20g=31kcal

チキンライス風の材料ですが、『お肉50g:お米50g:野菜50g』でカロリーは『96+178+47=321kcal』となりました。

うちはご飯が朝と夜の2回なので2分の1ずつが1食分になります。

栄養の計算は難しいです。正直1度目安が分かったら私はもう計算しません(笑)すべて目分量です。お肉の種類によってもたんぱく質の量は違いますし、野菜の種類によってもカロリーは違いますから毎食毎食計算するのはとても大変です。

最初はややこしいですが一度作ってみると愛犬のご飯のおおまかな量が目で分かると思いますのでぜひ一度チャレンジしてみてください。

また、あくまでこれは1日の給餌量なのでそのほかにおやつなどを間食する子はその分を少し減らしてあげたり、体調や運動量によっても様子を見ながら与えて下さいね。

 

犬の手作りご飯の簡単レシピのご紹介

※体重5キロのわんちゃんの1日分を目安に作っています

鶏ひき肉と野菜の煮込み

【材料】

鶏挽肉 50g

人参 2㎝ほど

パプリカ 1/8個

いんげん 1本

ひじき ひとつまみ~ふたつまみ

さつまいも 3㎝ほど

白米 50g

野菜は細かく刻み、根菜を水から煮ます。沸騰したらアクを取り、お肉と残りの野菜を入れ再びアクを取りながら野菜が柔らかくなるまで煮込みます。

食べる前にご飯と混ぜましょう。よく冷ましてから与えてくださいね。

ささみのホイル焼き

【材料】

ささみ 1本

しいたけ 1つ

エリンギ 1/4本

しめじ 3本ほど

キャベツ 20g

味噌(出来れば減塩)  少々

無塩バター  少々

白米 50gよりやや少なめ

広げたホイルの上にバターを塗り、ささみ、細かく刻んだ野菜、味噌をかさね、ホイルで包んで弱火で1分中火で8~10分ほど焼きそのまま蒸らしておきます。

ご飯と混ぜてあげますが味噌に炭水化物が多く含まれているので気持ち少なめで。

塩こしょうや味噌にマヨネーズを加えると飼い主さん用にもなりますよ。

 

牛もも肉でローストビーフ

【材料】※ローストビーフは小分けに作れないので一気に作ります。

牛もも肉ブロック500g程度

添えもの用の適度な野菜 50g程度

お米やうどんなど 50g

お肉を常温に戻し薄く薄く塩こしょうをして軽く小麦粉をふっておきます。形がいびつな場合はたこ糸などで形を整えましょう。お肉屋さんでローストビーフ用のブロックと注文するとたこ糸で結んでくれますよ。

強火で焼き色がつくまで肉の表面を焼いていきます。中まで火が通らなくてOKです。

お肉がすっぽり入るような大きめの鍋にお湯を沸かしておきます。

焼き上がったお肉を耐熱用のポリ袋に入れ、空気を抜き、袋の口をしっかり密閉します。

沸騰した熱湯にお肉を沈め(浮いてくる場合はお皿などで重しにします)再沸騰したらふたをして火を止め、そのまま1時間ほど放っておきます。

1時間後お肉を取り出し、50gほどを一口サイズに切り分けます。

一口サイズに切ったアスパラやジャガイモ、レタスなどを茹でて添えます。

うどんやご飯が口にくっつかないように野菜のゆで汁を少しかけて与えましょう。うどんも食べやすいサイズにカットします。

余ったローストビーフは1日分のお肉の量くらいのブロックに分け冷凍保存しておいてもいいですし、少々薄味ですがローストビーフのソースをかけて飼い主さんが頂いても美味しいですよ。

解凍するときは自然解凍した後、軽く湯煎して温めます。

サーモンの豆乳スープ

【材料】

鮭(塩味なし) 50g

白菜 20g

人参 2~3㎝ほど

小松菜 1~2枚

じゃがいも 20g

豆乳 30ccほど

水 適量

白米 50g

鮭は一度下ゆでして余分な脂や塩分を落としておきます。

鍋に水、根菜を入れ沸騰したらそのほかのお野菜を入れます。アクを取り野菜に火が通ったら水の量を野菜が浸かるほどに調整し、豆乳とほぐした鮭を入れてひと煮立ちさせたら完成です。

冷まして白米にかけてあげましょう。

飼い主さん用にはベーコンと豆乳を増やし、ビーフコンソメを入れると美味しいスープになりますよ。

 

牛肉と豆腐のハンバーグ

【材料】

牛挽肉 50g

豆腐  20g

パン粉 少々

卵  1/3個

豆乳  少々

ミニマカロニ 50g

添えもの用の野菜 50g

豆腐と牛挽肉をよくこね、豆乳をしみこませたパン粉、卵を入れてよくこねます。2つほどの小さな小判型にして焼いていきます。食べさせる時は一口サイズに切ってあげましょう。

茹でたマカロニを小さく切り、温野菜と混ぜて添えていきます。

少々たんぱく質が多いので、パプリカ、トマト、ズッキーニ、キャベツなどのたんぱく質が低い野菜を選ぶといいかもしれません。

もうひとつボールを用意して豆乳を牛乳に変え、塩こしょうを加えたタネを作ると飼い主さん用のハンバーグも作れますよ。

まとめ

いかがでしたか。始める前は少々ややこしくて難しいと感じるかもしれませんが、作り始めると想像より簡単に出来ますし、何より愛犬が喜んでくれるのなら次はこんなもの作ろうかなとどんどんアイデアが浮かんでくるはずです。飼い主さんのご飯のメニューをわんちゃん向けにアレンジして足したり引いたりしてみてください。手作りご飯のデメリットとしては手間や材料費がかかったり、日持ちがしなかったりということがあげられますが、そうすると飼い主さんのご飯とほぼ同じ材料で同時に作れるのでいいですよね。

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