人間と同様に、犬も年をとります。小さくてまだ発達途上の頼りなさが残るかわいい幼犬時代、元気溌剌な成犬時代を過ぎて、次に来るのはシニア犬の時代です。

人間も年をとると食事を気にしますよね。犬も同じように食事を気にする必要があります。ペットショップに行っても、シニア犬用フードはたくさん売ってますよね。

でも……犬って、何歳からシニアに分類されるのでしょう?シニア犬用フードは、成犬用フードとは何が違うのでしょう?シニア犬にはどんな栄養素が必要になるのでしょう?

ここでは、これらを解説しながらシニア犬の理想的な食生活について考えたいと思います。

1.まず、シニアって何?

シニア犬のシニアの定義は何でしょうか? 『三省堂 スーパー大辞林3.0』によると「年長者、上級生、シニヤ⇔対義語:ジュニア」となっています。

言葉としては、特に何歳からと決まっているわけではないんですね。イメージ的にはお爺さん・お婆さんよりは若い、おじちゃん・おばちゃんと言った感じでしょうか?

犬の場合はもちろん個体差はありますが、小・中型犬の場合は6〜7歳、大型犬の場合は5歳からがシニア犬とされています。ちなみに、犬の大雑把な年齢は1年目20歳、その後は4歳ずつ年をとるように計算すると出てきます。

換算すると、小・中型犬なら人間で言うと40歳半ば、大型犬なら40歳からがシニア犬です。大まかに言えば初老からがシニアなのですね。

尚、大型犬の方が年をとるのは早いです。身体の大きさと内臓の機能が合っていないため健康リスクが小・中型犬よりも高く、老化が早いのだそうです。

ここで混同して欲しくないのはシニア犬と高齢犬の違いです。高齢犬は小型犬で10〜11歳、中型犬で9〜10歳、大型犬なら7〜8歳からです。この年齢が人間で言う還暦、60歳になります。お爺さん・お婆さんの仲間入りです。

高齢犬(シニア犬)といった表記をされることも多いため混同されがちですが、シニア犬と高齢犬は違います。言うなればシニアは壮年、高齢犬は老年です。

フードのブランドによっては、シニアの上に更にスーパーシニアのような高齢犬に特化したフードがあることもあります。 シニア犬は人間で言う初老から、高齢犬は還暦からです。覚えておきましょう。

【シニア犬の食事】成犬用とシニア犬用のフードの違い

シニア犬の定義を確認したところで、フードの話に入りましょう。成犬用のフードとシニア犬用
のフードは何が違うのでしょうか?

答えは栄養素です。当たり前と言えば当たり前ですね。成犬とシニア犬では必要となる栄養素が異なります。また、栄養素の他にも粒の硬さや大きさなどが異なっています。

成犬用のフードはシニア犬用よりも高カロリーです。成犬は最も犬が元気な時期で、運動量も多いため、カロリーが高めです。とはいえ、子犬の時のように体が成長するわけではないので、子犬用よりはカロリーが抑えられています。

シニア犬用のフードは成犬用よりもカロリーが控えめです。シニア犬は足腰や持久力など体力全般が衰えるため、運動量が減ります。そのため、太らないように低カロリーな設計になっています。

また、年をとると噛む力が衰えるので粒が小粒になり、柔らかめで噛み砕きやすくなっています。成犬用フードよりもふやかすのも簡単です。

一般的にシニアと呼ばれる年齢になっても、まだまだ成犬と同じように動き回っているようなら成犬用フードで大丈夫です。以前より愛犬の運動量が減った、成犬用のフードを食べるのが辛そう、白髪が生えたなど愛犬の様子を見て老いを感じたらシニア用に切り替えましょう。

【シニア犬の食事】シニア犬に必要な栄養素

シニア犬に必要な栄養素はズバリ、 「タンパク質」です。これに加えて、添加物が少なく、老化に対応した成分(DHA、EPAやコンドロイチンなど)が入っていると良いです。

とはいえ、これらの成分はサプリメントでも補えるので入ってなくても構いません。サプリメントは自己判断でも悪くはないですが、動物病院で獣医さんに診察してもらってからの方が良いと思います。

「え?動かないのにタンパク質?太らない?」って思うかもしれませんが、タンパク質は身体を作るもの。タンパク質が足りないと基礎代謝も落ちどんどん身体が弱ってしまいます。

犬は肉食動物です。雑食の人間と同じように考えてはいけません。人間の場合は「野菜を中心にヘルシーに」ですが、犬は「肉(タンパク質)をしっかり」です。

以前は「低カロリー、低タンパク質」が良いとされていたシニア犬用フードですが、最近の研究でシニア犬もタンパク質が必要だという結論が出ました。ですからタンパク質多めのフードを選ぶ必要があります。

しかし、ドッグフードの会社・ブランドによっては従来の低カロリー、低タンパク質なフードが展開されています。これらのフードは穀物も多く、消化に悪いのでシニア用であってもおすすめできません。犬は本来穀物を食べませんから、穀物の消化は苦手です。消化能力が弱ったシニア犬には尚更おすすめできません。

肉でも赤身肉を使ったフードならば、高タンパクであってもヘルシーです。シニア犬用であっても高タンパクなものを選びましょう。

「そんなこと言われても、シニア犬用で高タンパクなものが見つからないよ……」という方には全ライフステージ対応のドッグフードをおすすめします。全ライフステージなのでもちろんシニア犬にも対応しています。

愛犬に合う良いシニア犬用フードが見つからなかった場合は、全ライフステージ用に切り変えてみましょう。

シニア犬への食事の与え方

シニア犬は一度に食べれる量が減ったり、食欲にムラがあったり、噛むのが辛くなったりします。ですから、与え方にも工夫が必要です。

工夫①食事を小分けにして与える

今までは1日2食だったかもしれませんが、一度にたくさん食べるのが辛くなるシニア犬の場合は食事の回数を増やしましょう。愛犬の様子を見て吐き戻したり、そうでなくても少し苦しそうであれば食事の回数を3回、4回に増やしましょう。

工夫②トッピングする

食欲にムラがあるようなら、トッピングをしてみましょう。茹でたササミや胸肉、それらの茹で汁などがおすすめです。犬用チーズも良いですが、カロリーが高いので肥満が気になる愛犬には控えた方が良いでしょう。

他にも愛犬の好物や粉末の犬用ミルクをトッピングしたり、市販の犬用のトッピングを利用してみるのもおすすめです。総合栄養食のシニア犬用ウェットフードと混ぜてみるのも良いでしょう。

くれぐれもカロリーを考えて与えてくださいね。

工夫③ふやかす

食欲にムラがある犬の場合、ふやかしてみると食感や匂いが変わって食いつきが良くなることがあります。また、噛む力が衰えたシニア犬の場合はふやかすと食べやすくなります。

ふやかしても食欲不振の時は、ふやかす際にササミの茹で汁を使ったり、犬用ミルクを使ったりしましょう。ふやかすと水が増えるため、少量で満腹になる傾向がありますから、食事の回数を増やした方が良いかもしれません。

ふやかすと消化も良くなりますから、お腹の調子が悪い愛犬にもおすすめです。

5.まとめ〜シニア犬にとって理想の食生活とは?〜

ここまでシニア犬の定義、成犬用とシニア犬用のフードの違い、シニア犬に必要な栄養素、与え方の工夫を紹介してきました。結局、シニア犬にとって理想の食生活とはなんでしょうか。

個体差もあるので一概には言えませんが、まとめると以下の通りになります。

  • 小・中型犬なら6〜7歳前後、大型犬なら5歳前後で、老いを感じたらシニア犬用フードに移行。
  • シニア犬用のフードで低カロリーでも高タンパクなものを選ぶ。粒などを考えるとシニア犬用が良いが、全ライフステージ対応のものでも良い。
  • 様子を見て食事を与える回数を増やす。食欲にムラがあったり、噛むのが辛そうなら工夫する。

犬の老いは人間よりかなり速いです。日々観察して、老いを感じたらそれに対応しましょう。食事は命をつなぐ大切なものです。老いていく愛犬が生活しやすくなるように、工夫を重ねていってくださいね。

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